こんにちは! 近年、お墓を新たな場所へ移す、改葬が増加しています。改葬件数は年々増加傾向にあります。その為、改葬についての質問を受ける事も増えてきましたので今回は「お墓の改葬」についてお話ししたいと思います。
目次
- なぜお墓の改葬が増えているか
- お墓の改葬の準備と完了までの期間
- お墓の改葬に必要な費用
- お墓の改葬にあたり注意したい事
- まとめ
2018年2月21日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2018年7月8日に改めて公開しています。
目次
なぜお墓の改葬が増えているか
お墓の改葬が増えている背景には、様々な事情があります。例えば、転居に伴って故郷のお墓が遠く、定期的にお墓参りができないという方が多いようですが、子どものいない方や、高齢の方にとっては、お墓の管理や維持が難しいといった事情もあります。
そのようなお墓の問題を放置していると、将来お墓を継承する親族がいなくなり「無縁墓」となってしまいます。無理なく供養をする為に、お墓の改葬をする方が増えているのです。
お墓の改葬の準備と完了までの期間
お墓の改葬をするにあたり、色々と手続きが必要となります。その中には法律で定められる手続きも含まれているのです。
1.新しい納骨先を決める
まずは遺骨をどこに移転し、どのような方法で供養するのかを決めなければなりません。供養の方法としては、永代供養や海洋散骨といった、個人のお墓を持たない選択肢もあります。そして、改葬することについて、関係のある親族に同意を得ておく必要があります。移転先が決まったら、新しい納骨先の管理者に、受入証明書(墓所使用承諾証)を発行してもらいます。
2.依頼する石材店を決める
現在のお墓を撤去する費用などを含め、改葬にかかる費用は一般的に60万円程度と言われています。しかし、新しくお墓を建て直す場合は、墓石の価格や工事費が加わりますので価格は変わってきます。価格に関しては依頼する石材店に聞いていただくことをおススメします。まずは信頼できる石材店を見つけることが大切です。
3.現在の墓地がある市区町村で改葬許可申請書を作成
まずは市区町村役場で改葬許可申請書を受け取り必要事項を書き込みます。書類は市区町村のホームページからダウンロードするか、直接窓口で受け取る事ができます。書類の形式は市区町村によって異なりますので、直接役場に聞いて頂くとスムーズです。
4.現在の墓地の管理者に改葬の承諾をもらう
墓地の管理者に、改葬する旨を伝えて承諾をもらいます。署名・捺印のある埋葬証明書(納骨証明書)を発行してもらい、現在の墓地で檀家を続けていくのか、寺院との今後の関係について話し合っておくことが大切です。ここで寺院の承諾を得られない場合は、円滑に改葬の手続きを進められなくなり、トラブルの原因にもなりかねませんので注意して対応しましょう。
5.現在の墓地がある市区町村で改葬許可証を発行
市区町村役場に「改葬許可申請書」「受入証明書」「埋葬証明書」を提出し、改葬許可証を出してもらいます。
6.遺骨の取り出しと移動
お墓から遺骨を取り出す際には、お墓から魂を抜く閉眼法要を行います。霊園を管理する寺院、もしくはお付き合いのある菩提寺にお願いをし日程を決めておきます。
7.新しい納骨先で法要を行う
改葬許可証を、新しい納骨先に提出します。納骨後、お墓に魂を入れる開眼法要を行います。
お墓の改葬に必要な費用
お墓を改葬をする場合、現在の墓地や新しい納骨先で様々な費用がかかります。
■墓石の撤去に関する費用
現在の墓地で墓石の撤去工事を行い、整地をする必要があります。これには一般的な3平方メートルの墓地で60万円前後かかります。おおよそ、1平方メートルあたり20万円を目安にするとよいでしょう。また、石材店にお墓を開けてもらわなければならない場合、作業費として遺骨の取り出しと埋葬にそれぞれ工賃が3万円程度です。
■納骨に関する費用
遺骨を移動した際、お墓の閉眼法要と開眼法要を行います。僧侶に墓前での読経を依頼して、それぞれお布施が必要となります。また、個人のお墓に納骨をするのではなく、海洋散骨や永代供養を選択する場合は、供養の費用がかかることを考慮しておきましょう。
■その他手続きにかかる費用
各手続きにかかる事務手数料が必要です。また、現在お墓を管理している寺院に対して、離檀料(りだんりょう)と呼ばれるお布施が必要な場合もあります。その金額をめぐってトラブルが起きるケースもあります。新しくお墓を購入するのであれば、これらの費用に墓石を建てる費用を加算して200万円~300万円程度となり、大きな金額を用意しておかなければなりません。
引用:「小さなお葬式」
離壇(りだん)をする際に注意したい事
改葬を行う際に注意したいのが、現在のお墓を管理している寺院とのトラブルです。檀家をやめる際に、これまでのお礼の意味を込めてお布施を渡す習慣があり、最近では離壇料と呼ぶことがあります。お布施の金額はこれまでの付き合いや地域によって異なるため、決まった金額がありません。しかし、中には高額なお布施を要求されるケースもあるようです。例えば、離檀をさせない為に、高額の離檀料を請求するケースや、突然離檀を切り出した事による、今までの礼を欠いた行動が原因になっている事もあるようです。また、支払いを断った為、改葬に必要な書類の署名捺印を拒否されたなんてこともあるようです。そのようなトラブルを避ける為にも、離檀を考えている方は事前に相談をし、礼儀をもって接することが大切なのです。
まとめ
どうでしたか?お墓の改葬にあたっては複雑な手続きを踏まなければならない為大変なことも多いですが、悩まず分からないことは周りの方と相談しながら進めることをおススメします。そうすることで、今後どのように進めていったら良いのかを提案してくれるので、いざという時にスムーズに対応ができると思います。当社でも相談を承っておりますので気軽にお声を掛けて頂けたらと思います。
離壇についてはコチラ
→檀家になっているお寺や宗派を変える事は可能なの?
→お寺を変えることは可能?その注意点とは