お墓の傍に立ててある【お塔婆(とうば)】と呼ばれる木の板。お墓参りのときなどに目にしたことがある方も多いと思います!このお塔婆、お寺に用意をしてもらうものということは何となくわかるものの、一体どんな意味があるのか、ということまではご存じない方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなお塔婆についてのあれこれをご説明させていただきます!
目次
- 塔婆の意味
- 卒塔婆に書かれている文字
- 塔婆の由来
- いつ立てるの?
- まとめ
2015年12月15日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2018年2月7日に改めて公開しています。
目次
塔婆の意味
お塔婆は、『卒塔婆(そとうば)』とも呼ばれ、故人や先祖の供養のために立てられるものです。お墓は『〇〇家』と刻まれていたりするように、先祖代々の供養のために立てられるものですが、卒塔婆には故人の戒名が書かれ、供養のために立てられます。また、卒塔婆を立てるということは『善を積む』ことであるとされているため、故人の冥福に繋がると考えられているとともに、自分自身の功徳を積む行いとしても奨励されています。
卒塔婆に書かれている文字
卒塔婆の表面には仏教の宇宙観を表す【梵字(ぼんじ)】と呼ばれるものや、経文、戒名を書き、裏面には施主名や起塔日を書きます。内容は宗派や地域の風習などで異なってきます。
塔婆の由来
卒塔婆はもともと古代インドの言葉で『ストゥーパ』という言葉を音訳したものです。ストゥーパは、仏塔とも訳され、これはお釈迦さまの遺骨を納めた塔のことなのですが、日本のお寺でよく見ることのできる五重塔の起源と言われています。そして!五重塔をもとに、その後作られた五輪塔(下図参照)が卒塔婆の起源です。現在、日本で卒塔婆というと、長さ1~2mほどの『板塔婆』のことを指しますが、つまりそのかたちは五輪塔がもとになってできたものなのです!という事で、卒塔婆そのものが、仏教の世界観をあらわすと言っても過言ではありません。
五輪塔は5つの形の意味を持っていますが、卒塔婆も同じく持っています。
・一番下の四角形は『地』
・その上の円形は『水』
・その上の三角形は『火』
・その上の反円形は『風』
・一番上の宝珠型は『空』
を表しています。
仏教ではこの5つの要素がこの世界を構成していると考えており、人間もこの5つの要素によって生かされていると考えているのです。
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いつ立てるの?
一般的には、年忌法要や納骨、お盆やお彼岸、お施餓鬼法要のときにお寺にお願いをして用意してもらいます。しかし、お寺から「卒塔婆を立てて供養しておきますよ」と言われることもありますし、用事があって法事に行けない時などには「塔婆を立てておいていてください。」と依頼することもあるようです。なお、浄土真宗では追善供養を必要としないため、卒塔婆を立てません。
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まとめ
お墓や仏事については、目にしたことがあってもその意味まではあまりよく分からないこともあると思います。お塔婆もまさにその一つかもしれません!先日も、お墓の建立をご検討中のお客様から、今は戒名もつけないしお塔婆も用意しないけど、後からお塔婆を立てることも出来るの?とご質問をいただきました。そのような場合には、すぐに必要がなくてもお塔婆を立てるための【塔婆立て】だけは初めからご用意していただくこともご提案させていただいています!そういった形で、法要などでお塔婆を立てることを考えた時には、故人を供養するという想いを込めて、お塔婆を立てられるのも良いのではないでしょうか?