もうすぐ秋のお彼岸の時期ですね!「暑さ寒さも彼岸まで」というように、季節の節目にお彼岸があります。昔は作物の種まきが始まる時期の春と、農作物が収穫される秋になると自然の恵みに感謝をしていたのです。今でこそ仏教的な行事になっているお彼岸ですが、古くは、元々農耕民族であった日本人の生活に根付いた行事であったのではないかとも言われているんですよ。それでは秋のお彼岸についてお伝えします。
目次
- 秋のお彼岸っていつからなの?
- お彼岸の本来の意味とは?
- お寺の彼岸会は何をするの?
- まとめ
目次
秋のお彼岸っていつからなの?
お彼岸は9月の「秋分の日」の前後3日間、もしくはこの時期に行われる仏事(彼岸会)を指します。お彼岸ではそれぞれの初日を「彼岸の入り」、終わりの日を「彼岸明け」と言い秋分の日を「中日」といいます。お彼岸の期間はその年ごとに変わります。一般的に9月は23日頃が月の中旬過ぎとなり目安となります。ちなみに今年は9月22日が「中日」になります。お彼岸の時期には季節が変わり、お墓参りしやすい安定した気候になるのも特徴の一つです。
お彼岸の本来の意味とは?
「彼岸」本来の意味としては煩悩を脱した悟りの境地のことを言います。三途の川をはさんで、私達の住んでいる世界を此岸(しがん)といい、向こう側(仏様)の世界を彼岸(ひがん)というのです。彼岸は「パーラミター波羅蜜(はらみつ)」という梵語(ぼんご)の漢音写で「到彼岸(とうひがん)」と訳されます。「此の迷いの岸である現実の世界から、彼の悟りの岸である仏の世界へ到達する」という意味でもあります。そこでお彼岸には「悟り」をひらけるように仏道修行の期間です。普段仏道修行をしていない人達も彼岸の期間中は、西の太陽に祈りを捧げ煩悩を払っていたようです。現在でも彼岸会や法要を行う寺院は多く檀家同士で集まり先祖を供養しお墓参りをします。国民祝日に関する法律では、秋分の日=「先祖を敬い、亡くなった人を忍ぶ」と言われています。
お彼岸で西の太陽に向かって拝むのはなぜ?
秋分の日の中日は、太陽が真東から出て真西に沈む日です。この日に夕日を拝むのは西にある浄土に向かって拝むことになると言われています。そのため、この行いは功徳があると言われています。「暑さ寒さも彼岸まで」と言われているように、お彼岸が来ると最も過ごしやすい季節になります。墓地には西向きと東向きの区画があります。東向きの区画にお墓を建てることで、浄土である西に向かって手を合わせ拝むようになり、最近は東の区画を好まれる方が増えてきました。
お寺の彼岸会は何をするの?
寺院で故人(こじん)の供養をすると同時に「六波羅蜜」の教えを学ぶ大事な行事です。 インドや他の仏教国ではあまり見られない行事ですが、民俗信仰とも深く結びついていてお盆の時期に行う行事である「盂蘭盆会」や「施餓鬼会」などと共に仏教の行事の中では一番盛んに行われています。最近では、お寺によっては「かき氷」や飲みものを出していたり、「六波羅蜜」の教えをお話しながら、茶菓子(おはぎ・ぼたもち)や軽食を食べたりするなど、地域コニュニケーションの場にもなっています。
六波羅蜜について
- 布施=他人への施しをすること
- 自戒=戒を守り、反省すること
- 忍耐=不平不満を言わず耐え忍ぶこと
- 精進=精進努力すること
- 禅定=心を安定させること
- 智慧=真実を見る智慧を働かせること
まとめ
お彼岸には、ご先祖様に感謝の気持ちを表し、お墓参りをするというのが昔からの習わしです。お彼岸の期間中であれば、いつお墓参りにいっても大丈夫ですので、都合の良い日に行ってくださいね。日頃は忙しくてなかなかゆっくりすることができない方もいらっしゃるかと思いますが、時間を作りご先祖様に手を合わせ感謝の気持ちを伝えてください。そして、お墓参りは家族みんなで行くようにしてください。なぜなら、お墓は家族全員でお守りしていくべきものだからです。両親がご先祖様を祀る姿は後の世代に受け継がれていきます。