こんにちは。お墓の“水鉢”とは・・・水鉢の使用方法と目的一口に“お墓”と言っても、お墓を形づくる部品にはそれぞれ名前があります。例えば…『香炉』です。ご存じの方も多いかと思いますが、お線香を供えるところです。それでは『水鉢』がどの部分なのかお分かりですか?今回は、使用方法がハッキリしない『水鉢』についてお話し致します。
2017年5月31日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2020年6月14日に改めて公開しています。
目次
・お墓の水鉢って何?
水鉢とは、ご先祖様や故人に水を上げるために使用する鉢のことを言います。 一般的には、上部に楕円形のくぼみがある花立の間にある石が『水鉢』です。くぼみの深さに決まりはありませんが、数センチ程のものが一般的です。又、諸説では、仏様はお水とお香が好物と言われております。 その為【いつもお水を絶やさない】、【なるべく頻繁にお香をあげる】ことが大切と言われています。 また、故人やご先祖様がお墓に舞い降りて、ご自分のお顔を映す鏡(水鏡)の役割があるという説があります。ステキなお話ですね。 水鉢は宗旨宗派や地域によっても意味合いが違います。お墓を建てる際はお世話になっているお寺さんや、石材店にご確認される事をオススメ致します。
・お墓の水鉢にお茶・お酒・ジュースなど、水以外を入れてもいいの?
答えは『NO!』です。 お墓の専門店としての意見を申しますと、石は工業製品とは異なる自然の産物です。 お墓参りの際の水拭き程度で石が傷むことはありません。しかし、お酒やジュースなどを入れるとなると話は違います。ビールやお酒はそのままにしておくとカビが生えて黒ずんでしまいますし、乾いた後は糖分が残ってベタベタになってしまいます。ジュースも同じくです。 お茶も、湯呑みや急須に茶しぶが付くのと同じように、石にも茶しぶが付いてしまいます。お水以外の水分はシミの原因となり、石にとってはよくないと言えます。 また、どうしてもお酒やジュースをお供えしたい場合は容器のままお供えし、お参りが終わったら持ち帰り、故人を偲びながら頂くことが供養につながると言われています。
・水鉢がないお墓もあるの?
答えは『YES!』です。実は、神道や浄土真宗のお墓は通常水鉢は使用しません。 神道式のお墓では水鉢は設置せず、玉串やお供物をお供えするための『供物台』を水鉢の部分に設置する場合が多いです。 同じく、神道ではお線香も置かないため、香炉はありません。また、デザイン的に付けない方や、環境衛生的に付けない方もいらっしゃいます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?水鉢の意味は、地域によっても色々な意味がありますが、仏様への大切な意味を持つことは変わりません。最近では、様々なデザインがあり宗旨宗派などにとらわれないお墓も増えてきました。 また、お墓にも歴史があり、それぞれの部位にも歴史や意味が込められ現在に至ります。 様々な諸説があり、どれが正解、どれが不正解などはありません。ただ、形は変われど、ご先祖様を敬う心はどこの世界でも同じ気がします。 お墓参りをされる際に、そんな歴史を感じながらご先祖様を想うのもいいかもしれません。
※地震対策に有効な一例としてご覧ください。
※お墓参りの際、お花の量が沢山にならないように花立てを1本に選ばれる方もいらっしゃいます。