こんにちは!牧之原石材工事部の大澤です。前回まで3週に渡り熊本地震復興支援を行った中で実際に熊本の現場で感じる事の出来たお墓と地震に関係する事柄についてブログを書かせていただきました。前回の記事では、熊本地震で被害を受けたお墓を3つの要因に分類して、それぞれ何が原因で被害を受けてしまったのかをご説明させていただきました。そして今回はその3つの要因を全優石である牧之原石材が行っている施工の観点からそれぞれご説明させていただきたいと思います。
前回の記事はこちら↓
目次
- お墓自体の耐震
- お墓と地面を繋ぐ耐震
- お墓を建てる地面自体の耐震
- まとめ
目次
お墓自体の耐震
まず最初に、お墓自体の耐震についてご説明させていただきます。お墓というものは、いくつもの石を組み合わせて施工します。その時ただ石を乗せていくだけではありません。石と石の接する面に耐震ボンドという接着剤や、耐震用のパッド、石同士をつなぐ金具等様々なものを使用して地震やその他の事案に直面した際に石同士が離れないように施工しています。
①耐震ボンド
耐震ボンドは石同士をくっつける接着剤です。固まってからもある程度の弾力を持っていて、その弾力が地震等の横揺れの際にも衝撃を逃がすことで、お墓の耐久度が上がります。もちろんその量が少なすぎては効力は十分ではありません。熊本で見たお墓の中には耐震ボンドが全く入っていないお墓や、ほんの少ししか入っていないお墓が多数あり、そういったお墓は大きな被害を受けていました。
②耐震用パッド
耐震用パッドは耐震用ボンドだけでは支えきれないかもしれない場所、特にお墓の上の方に位置する石を据える際にさらに揺れに対する耐久力を上げるため使用します。地震などで地面から揺れが伝わる際、上に行くほど揺れの振れ幅が大きくなります。そのため牧之原石材では主に竿石(○○家等が書いてある石)やその下の部分には日本石材産業協会主催の震度7実験でも異常の無かった「泰震」という耐震用パッド等を入れて施工しています。
耐震パッドの性能が気になる方はこちらをご覧ください→墓石用地震ゲル「泰震」HP
③金具類
耐震ボンドだけでもその効力は十分発揮されますが、さらにお墓の耐久力を高めるため、石同士をL金具というステンレス製の金具や、木の葉と言われる金具を使用し、石同士をさらに強固につなげています。
お墓と地面を繋ぐ耐震
次がお墓と地面の部分にあたるお墓の基礎部分を繋ぐ施工です、熊本ではお墓自体はほぼ無傷でも、地震により、お墓がそのまま横滑りもしくは横転してしまっている物があったことから十分必要な施工かと思います。
牧之原石材では、墓石に使用したL金具をお墓と基礎部分の接合にも使用しています。
お墓を建てる地面自体の耐震
最後にお墓を建てる部分、お墓の基礎の耐震性についてご説明させていただきます。いくらお墓の耐震をしっかり行っていても、お墓の基礎、お墓の建つ地盤に合った施工を行わないと、場合によってはお墓の形は保っていても大きく傾いてしまったり、その傾きからお墓に予期せぬ被害をもたらす可能性があります、特に古いお墓等は注意が必要です。牧之原石材ではお墓の建つ地盤に合わせた様々な基礎工事を行い、お墓の基礎から地震対策を行っています。
お墓の基礎工事について詳しく知りたい方はこちら↓
まとめ
熊本地震や東日本大震災はもうすでに起きてしまいましたが、ニュース等で聞いたことのある方もきっといらっしゃると思いますが、東海地震が30年以内に起こる確率は87%、同じく東南海地震は60%、南海地震は50%、さらに30年以内に首都直下型のM7程度の地震が起こる確率は70%となっています。各家庭、各地域で非常用の持ち出し物品、避難訓練等行われているかと思いますが、お墓はどうでしょうか?新しいお墓でもしっかりとした耐震施工がなされていなければ意味がありません。古くから受け継いでいるお墓をお持ちの方も、古いお墓に耐震工事を行える事をご存知ですか?いざという時に想定外の被害を受けてしまわぬよう、もしくは被害を最小にするため、これからお墓を建てる予定の方、すでにお墓をお持ちの方も、お墓の地震対策についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか?お墓の地震対策といっても、それは地震に限った事でなく、地震対策は総じてお墓自体の寿命を長くする効力もあるため是非ご検討ください。