どうしてお墓は『石』なの?日本神話に秘められた想いとは・・・

160119福島『どうしてお墓は『石』なの?神話に秘められた想いとは・・・ 』

ふと・・・考えてみると、なぜお墓は石なのでしょう?
当たり前のように私を始め日本人は、「お墓といえば・・・石!」と思い浮かべる方も多いと思います。
少し前に、陶器製のお墓などが、新聞やテレビで話題になりましたが、あまり人気も無く
日本人はやっぱり「お墓は石で」という気持ちが強いようです。
日本人が『石』に対しての思いのルーツなども掘り下げてお話していきたいと思います。

2016年1月19日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2018年11月27日に改めて公開しています。

目次

  • 日本人と石の文化
  • 日本の神々の誕生とお墓のルーツ
  • 千引石(墓石)の意味
  • まとめ

日本人と石の文化

日本の伝統の建造物や文化財などは、いろいろなものがありますが「木造建造物」が多く見受けられますね。木造住宅や神社仏閣、お城などは木造建築が多いですね。海外と比べても「木の文化」が根付いているように感じます。海外では、石造のモニュメントやピラミッド、宮殿や神殿、都市建造物なども石で建造されていますが、日本では石の建造物は少ないように感じます。日本には、古代から石を「聖なるもの」とし、斎き祀った遺跡などが多く存在します。
・神の依り代という「磐座(いわくら)」・「石境(いわさか)」・「磯城(しき)」
・環状列石(かんじょうれっせき)縄文時代の古代人の墓
・道祖神(道などにある石碑)、石仏 など
神さまや、お祀りするものとして、石を対象としてきました。その訳には、神々の誕生と深い関係が有るようです。

日本の神々の誕生とお墓のルーツ

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日本列島と神々の誕生の物語「神代(かみよ)【古事記】」より、日本列島は、天の神々が「イザナギの命(みこと)」という男の神様と「イザナミの命(みこと)」という女の神様に、「国生み」を命じて生まれたそうです。イザナミの命が亡くなった際、イザナギの命はイザナミに会いたくてあの世の「黄泉国(よもつくに)」へ 行ってしまいます。亡くなったイザナミの命に恥をかかす事となり、イザナミはイザナギを追います。イザナギの命は「黄泉比良坂(よもつらさか)」までくると【千引石(ちびきいわ)】出口を塞ぎました。この千引石こそが、墓石の始まりです。

千引石(墓石)の意味

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千引石(ちびきいわ)=墓石に込められた意味とはどんなことなのでしょう?

①死者の国(黄泉の国)とこの世の出口を塞ぎ石

死者がこちら側に自由に出て来れない役割ということ。
または、安らかに眠っている死者を、この世の側からむやみに開けたり、邪魔してはならないということ。

②あの世とこの世の境界(石)

お墓の前というのは、死者の世界と向き合う場所になります。
日々の日常とは離れ、ご先祖様や家族と共に過ごす大切な時間となり、
生きているものと、亡くなったものとのが会話する中間(仲立)石ともなります。

まとめ

お墓の前に立つと、故人のことや、ご先祖様のことを思い手を合わせます。お墓は、今を生きる私たちと、故人(死者)を挟んで会話をさせてくれる線引き石でもあります。現在では、ただの石、決まった石の形ではなく、故人の事を思いを形にしたオリジナルの墓石や、生前に自分たちが生きた証として「石に記す(しるす)」ように、個性豊かな墓石が増えています。日本人の心情には、神話と歴史の背景もあり、「お墓は石」と伝統が根付いているようです。
資料:(日本人とお墓シリーズ 小畠宏充 より引用)

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