本格的に春めいてきて、花粉症の方には厳しい季節になってきました。僕は山育ちの為花粉には強いようですが、家族(特に子供達)はみんな辛そうにしています。さて、春のお彼岸も過ぎてお墓参りにお寺に行った方も多いのではないかと思います。お寺の入り口に「6体のお地蔵さん」が並んでいることがあるのを見たことがあると思いますが、今日はその「お地蔵さん」についてお話をしたいと思います。
目次
- お地蔵さんの6体の意味
- 有名な六地蔵
- まとめ
目次
お地蔵さんの6体の意味
お地蔵さんが6体ある事の意味は、仏教においての六道(ろくどう・りくどう)を表しているとされています。六道とは生くとし生けるもの全てが輪廻転生する、天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の6つの道の事を指しています。
■天道・・・天人が住む世界。天人とは人間より優れた存在であり、この天道では人間道と比べて苦しみもほとんどないとされている。
■人間道・・人間の住む世界。いわゆる現世であり、苦しみの大きい世界であるが楽しみもあるとされている。唯一仏教に出会える世界である。
■修羅道・・阿修羅の住む世界。終始戦い争う世界である。
■畜生道・・牛馬などの畜生の住む世界。本能で生きる世界であり、自ら仏の教えを得ることができない救いの少ない世界。
■餓鬼道・・餓鬼の住む世界。餓鬼とは腹の膨れた姿の鬼であり、飢えと渇きに悩まされる存在。
■地獄道・・まなさんご存知の地獄。大いなる罪を犯した者が死後に訪れる世界。
「お地蔵さん」は正式には「地蔵菩薩」と言い、実は仏教的には「如来」に次ぐ尊い存在なのです。しかし表情も穏やかで非常に庶民的な存在であり、昔より「お地蔵さん」として親しまれてきました。「六地蔵」には六道すべてを回り救済してくれるという意味があるため、「亡くなったご先祖が六道どこに行っても救われますように・・」という想いを込めてお寺の入り口などに作られるのが多いようです。
有名な六地蔵
「六地蔵」と言われると思いつくのは昔話の「かさじぞう」ではないかと思います。実は地方により地蔵の数は5~7体と変動するようですが、もっとも多いのが6体の様です。僕の幼少時には「まんが日本むかし話」というのがテレビでやっていてよく見ていたのを思い出します。その「まんが日本むかし話」の話の中でも「善対悪」という構図ではなく、優しい心が自分自身を救うというすごくいい話だったのが印象的です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今までお参りに行ってもなんとなく見ていた「6体のお地蔵さん」ですが、改めてじっくり見てください。実は同じお地蔵さんに見えてみんな違うものを持っているのです。それぞれの世界(六道)を救うための道具を持ったお地蔵さんを見て、是非お子様やお孫さんなど次の世代にも伝えてみてください。