こんにちは!皆さんはお墓参りの際にお掃除と合わせて、お墓の状態も確認していますか?もしかしたらお墓の角等、何かを落としたり、当ててしまったり、身に覚えが無くても、お墓が欠けてしまっているなんて事があるかもしれません。たまに、お墓の欠けや傷は、身内の誰かに振りかかる厄を、ご先祖様が代りに受けてくれた物なので、あえて修復せずにそのままの方がいいとおっしゃる方もいらっしゃいますが、出来る事なら修復をおすすめします。なぜなら、お墓に使用される石自体が天然の産物なので、劣化が生じて、自然にもろくなり、欠け落ちてしまいます。その為、そのままにしておくと、その部分から劣化が進み、お墓全体の劣化が更に早まると言われております。見える部分だけではなく、見えない部分にも気を付けて確認をしていただき修繕をしていただくことをおすすめします。お墓は建てたら終わりではありません。今後自分もそこに入る時が必ず来ます。また、メンテナンスをしっかり行っていくことでお墓の持ちも良くなります。今日は、お墓のメンテナンスの一つとして、「お墓が欠けた」時の対処方法についてお伝えします。
2016年3月17日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2021年6月20日に改めて公開しています。
目次
なんでお墓は欠けるの?
さて、それではまず最初に、お墓が欠ける原因をいくつかご説明させていただきます。まず最初に挙げられるのが「経年劣化や風化等による欠け」です。最初に記載させて頂いたように、お墓に使用される石、御影石は自然の産物です。したがって雨や風等の自然の影響により、お墓を建ててから時間が経つにつれ、石は劣化、風化して行き、各箇所が脆くなっていき、結果として、石の一番弱い部分で在る角の部分が欠け落ちるという事です。一昔前のお墓と比べて現代のお墓は加工や技術の進歩により、自然の影響を受けにくくなってはいますが、絶対に劣化しない!欠ける事は無い!とは言い切れないでしょう。
次に挙げられるのが、「外的要因による欠け」です。外的要因とは、簡単にご説明させて頂くと、お墓が何かしらの衝撃を受け、欠けてしまうという事です。お墓は石でできており、非常に硬いという事はご存じかと思いますが、基本的にお墓は四角形等の角がある造りになっている物がほとんどで、その角の部分は非常に脆く、ちょっとした衝撃で欠けてしまう事も多々あります。例えば、お墓参りの際にお供えしてあるお花を変えようとした際に、手を滑らせ花立てを落としてしまい、ちょうど石の角の部分に当たってお墓が欠けてしまった。というような事例が挙げられます。その他にも、お墓参りの際にお供えした食べ物をそのまま置いてきてしまい動物がお供え物目当てでやってきて、爪やくちばしでお墓の角を欠かして行く等の事も挙げられます。その他にも、「外的要因による欠け」に含まれているかもしれませんが、地震などの際に、その揺れによってお墓の石同士がこすれ合い、その摩擦と衝撃で欠けてしまう事もあります。また、在ってはならない事ですが、お墓を購入した石材店が、粗悪品を売りつける悪徳業者で、お墓の石自体が見た目だけ胡麻化してあった粗悪品であったり、石を接着剤等でくっつけ、それを分からないように加工して販売したものであったり、その様な石であったばかりに、購入後に数年で欠けやヒビ、変色等、様々な不都合な点が生まれる事も存在しています。
お墓が欠けた時はどうすればいいの?
まず、お墓が欠けた際どうすれば良いかご説明させていただきますが、皆さんはお墓が欠けた際、どのようにして修復又は補修すると思いますか?『お墓は大きな石のパーツで出来ているから、その部分をそっくりそのまま同じ石で作りかえる』と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、欠けが大きく、そこからの影響でお墓に大きなヒビが入ってしまい、もうお墓そのものがボロボロで、少しの振動などで崩れてしまいそう、といったような状況ならば、石の交換もありえるかもしれません。しかし、一箇所、二箇所の欠け程度の損傷ならば石の交換までは必要ないでしょう。そういった場合は補修、修復、又は加工により元々の形とまるで変わらない状態や、見た目が良くなる場合がほとんどです。お墓の欠けの修復、補修には欠けの程度によりいくつかの方法があるので、ご紹介させていただきます。
①砥石を使用した補修方法
まず最初にご紹介させていただくのが、砥石を使った補修方法です。砥石と言っても、使用するのは一般的にはグラインダーとも呼ばれる物を使用します。この補修方法が使用される例は、欠けの大きさが比較的小さく、欠けた角の縁を一律で削れば欠けが無くなる場合等があげられます。この補修方法の利点は、修復に使用する機械が小さく、お墓のある墓地で作業が出来るため、お墓を解体する必要が無い事が上げられます。又、欠けの大きさが小さいため、補修する際にかかる時間も短時間で済みます。この補修方法の欠点としては、欠けの大きさが比較的大きい場合、補修しきれないという点が上げられます。
②切削、研磨機を使用した補修方法
次にご紹介させていただくのは、切削機、研磨機を使用した補修方法です。この方法は、お墓の欠けた部分の石を一度お墓から取外し、自社の工場へ持ち込み、欠けた部分をその幅で切削機という機械を使用して切断し、欠けた石の場所によっては研磨機という機械で切断面を磨き上げるという方法です。この補修方法が使用される例は、欠けの大きさが比較的大きく、①の方法では、補修しきれない場合や、欠けた箇所が狭い場所にあり、一度お墓を解体し、欠けた石を取り出さなくてはいけない場合があります。補修後の見た目的には、①の方法より、こちらの方法の方が綺麗に仕上がる為、先ほどのような一度お墓を解体する必要のある場合は、ほぼ工場へ持ち帰り補修します。しかし、その尺度はお客様のご要望によります。
③補修材を使用した補修方法
最後にご紹介させていただく方法は石材補修材という物を使用した補修方法です。石材補修材と言うのは、お墓のヒビや欠けを埋める為のパテで、簡易的な物は、ホームセンターや、インターネットで販売されている事もあります。この方法が使用される例は、補修にかかる費用や、いち早く形だけでも元の形に戻したい等の場合があげられます。この補修材を使用する利点は、①の補修と同じく、お墓のある現場で作業が出来るので作業時間が短く済みます。又、小さい欠けの場合は補修材を使用して欠けを埋めて研磨、欠けの場所が若干大きい場合でも、補修材を使用して欠けを埋めた後に、①の方法で削り、磨き上げるという事もできるため、応用性があります。この補修方法の欠点としては、①と同様にあまりに大きな欠けには対応できない点や、補修材の種類にもよりますが、気温が低い場合等、補修材を使用できる環境が整っていない場合は、使用できない場合が有ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は『お墓が欠けた時』の対処方法についてご説明させていただきました。最初にもご説明したように、小さな欠けでも、お墓の劣化を早める原因になり、又欠けた場所によってはそこから水が入り、納骨室が水浸しになる、なんて事も十分にありえます。そうなる前に一度近くの石材店を訪れ、相談してみてはいかがでしょうか?お墓の欠けの補修自体、欠けの大きさや、欠けた場所、使用している石の種類、補修方法によりかかる費用は一概に幾らとは言えません。欠けやヒビをそのままにしておき、100年持つと言われるお墓が数年でボロボロになってしまい、建て直す事になるかも知れない事を考えれば、例え気にしないような小さな欠けやヒビであっても、補修できるうちに補修しておくほうが、後々安心できるかと思います。現在お墓の欠け等の補修を迷っていらっしゃる方は、他社で建墓されたお墓でも対応できますのでお気軽にご相談ください。