こんにちは!牧之原石材工事部の大澤です。皆さんはお墓参りを行う際や、その他の事で霊園や墓地等を訪れた時に、「戦没者のお墓」という物をご覧になった事はありますか?何も気にせずにお墓参り等を行っているとその存在にはほぼ気付く事は出来ないでしょう。僕も牧之原石材の工事部へ入社し、お墓の工事を行う為様々な霊園や墓地等を訪れるまではそもそも戦没者のお墓自体に対する知識は皆無でしたが、ほぼ全ての墓地には戦没者のお墓は存在していました。普段のお墓参りでは気付けていないかもしれませんが、意識して頂き一度それらしきお墓を見かけた方は、足を止められてみてはいかがでしょうか?という事で今回は「戦没者のお墓」についてご説明させていただきます。
目次
- 戦没者のお墓とは?
- 戦争の記憶を鎖さない為に
- まとめ
目次
戦没者のお墓とは?
それではまず最初に「戦没者」の定義を簡単にご説明させていただきます。各方面で様々な意見がありますが、「戦没者」とは、戦争に関わりを持ち、戦争による事柄によって亡くなられた方々の事を言うようです。すなわち戦時中に実際の戦地での戦闘で亡くなった兵士の方や民間人としての扱いであっても、空襲等戦争に関係する事柄に巻き込まれて亡くなった方も「戦没者」となるようです。
それでは次に今回のタイトルである「戦没者」のお墓についてご説明させていただきます。「戦没者」とは戦争によって亡くなられた兵士の方や民間人の方とご説明させていただきましたが、実際に建っている「戦没者」のお墓は、戦争中に戦地で戦闘中に亡くなられた方のお墓がほとんどです。そして次に「戦没者」のお墓の特徴をご説明させていただきます。まずお墓の形はほぼすべてと言っていいほど和型墓石もしくは神道式の形をしています。それもそのはずで、近代で日本が戦争を行ったのは「第二次世界大戦」「太平洋戦争」になりおよそ70年前になります。最近こそ洋型墓石やデザイン墓石といった形のお墓が増えてきましたが、その当時はまだまだ和型墓石が主流の時代であり、神道式の墓石が戦没者のお墓に使用されている理由にに関しては、特に第二次世界大戦中、天皇は「現人神(あらひとがみ)」とされ、この世に人間の姿で現れた神、もしくは人間でありながら、同時に神であるとされていました。その為、テレビや映画であるように兵士が「天皇陛下万歳!」と言って突撃しているように、天皇を護るべく天皇に仕える者とされ、そのために戦争中に亡くなった方は天皇に奉公し亡くなったとされ、英霊という神に仕える霊となるとされていた為、戦没者のお墓には神道式のお墓が建てられたと言われています。
その他の戦没者のお墓の特徴としては、お墓の最上部の竿石に一般的なお墓のような○○家の墓というような彫刻ではなく、戦没者の名前、所属、戦死した年齢と場所、物によってはどういった戦いで亡くなられたかが彫刻してあり、基本的に戦没者のお墓1つに対して1人の戦没者が眠っていますが、戦死場所や、その時の状況により遺骨が回収できず、お墓自体に遺骨が入っていない戦没者のお墓も沢山あります。戦没者の遺骨が回収されていない事はテレビ等を通じて皆さんも良くご存知かと思います。
戦争の記憶を鎖さない為に
戦没者のお墓は全国に多々あり、お墓だけではなく慰霊碑や慰霊塔等も各所にある事はご存知かと思います。しかしながら戦没者のお墓に関しては老朽化が進んでいる物がほとんどで、中には霊園といったような区画で分れている立地のしっかりとした墓地ではなく、山の中等に忘れられたようにひっそりと建てられているお墓も少なくありません。先ほども記載させていただいたように、戦没者のお墓には亡くなった方の最後が、その人の生きた証が彫刻されています。去年に当たる平成27年8月15日で第二次世界大戦終戦から70年が経過しました。実際に戦争を体験された方もご高齢、もしくは亡くなられてしまい、戦争の悲惨さを語ってくれる方は年々減少している事が事実です。そういった事から、後世に戦争の記憶を語り継ぎ、戦争という物を二度と起こさない手段として、映像や文献、証言を残す事の他にも、戦没者のお墓の継続した存在、もしくは集積して最低限形を失わない為の処置も大変重要な事だと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今日は「戦没者のお墓」についてご説明させていただきました。今回はとりわけ第二次世界大戦についての記載が多いですが、戦没者のお墓はそれに限らず、第一次世界大戦やそれ以前の物もあります。もちろん日本以外の外国でも戦争を行った事のある国や、戦争の被害を受けた国にはどこの国でも戦没者のお墓というものは必ず存在しています。特に日本で著名な戦没者のお墓がある場所として、東京都千代田区にある千鳥ケ淵戦没者墓苑や沖縄県の国立沖縄戦没者墓苑等があります。そのような墓苑等に行く行かないはこの記事を読んでいただいている方にお任せします。しかし戦没者のお墓の存在の重要性、存在意義、この記事で取り上げさせていただいた事は戦争を体験した事のある国日本に生まれたのならば、もう一度考えてみる必要があるのかもしれません。