以前墓地で施工していた時の事です。お墓参りに来ていた方から「文字依頼を間違えたら直せるの?」とのご質問をいただきました。書いた文字と違い、一度石に彫ってしまうと簡単に消すわけにはいかないです。今回は“石に彫った文字を直す”という事に関してお伝えします。
2017年12月17日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2021年4月20日に改めて公開しています。
目次
- お墓に彫った文字を直すことがあるんです
- 考えられる墓石へのリスクは?
- 彫り直す方法は?
- まとめ
目次
お墓に彫った文字を直すことがあるんです
ご親族のどなたかが亡くなった際「お墓に文字を彫って欲しい」と、ご依頼いただきます。そういった場合、間違いの無いよう細心の注意をはらって確認・字彫りをさせていただきます。では、どんな時に文字を彫り直すのでしょうか。その理由となりうる点をいくつかご紹介します。
・彫ってある場所が違う
・字や日付が違う
・昔はこれだと思っていた家紋が調べたら違っていた
など理由は様々です。
考えられる墓石へのリスクは?
彫ってある文字を消す作業は、一般的に墓地や霊園などの現場で行なう事が出来ません。つまり、彫り直す墓石の部分【石塔・戒名板】を取り外し、工場に持って帰り施工します。勿論、細心の注意をはらって作業しますが、石が書欠けたり傷がつくかもしれないという心配があります。また、石塔の側面に戒名が彫ってあり、それを彫り直す場合、石塔の側面の文字を消すために研磨機を使います。片面だけ削れば石塔自体のバランスが悪くなり、かといって両面や全面を削れば石塔自体が小さくなる為、石塔を元の場所に戻した際に全体のバランスが不自然になる可能性があります。他にも、磨いた面は表面にツヤが出て美しくなる為、他の場所と比べた時に見た目に差が出る場合もあります。
彫り直す方法は?
まず彫り直す前に、現在彫ってある文字を消す作業をします。文字は一般的に3㎜~5㎜の深さで彫られていますので、文字が消えるまでその面全体を研磨機にかけて削ります。
その後、削った面を磨き上げます。磨いた物がこちらです。
磨き終わったら、文字の形に切り込みがあるゴムを貼りつけて文字の部分を機械(サンドブラスト)で彫れば完了です。
他には、字を直したい部分にパテ【穴などを埋めて平らにする塗料】を使用し、彫り直すという方法もあります。見た目で埋めて彫り直したことが分かる為、その点を踏まえてご家族と相談いただければと思います。
まとめ
如何でしたか?今回は彫った文字が違っていた場合として取り上げていますが、もちろん間違わないのが一番です。これまでも、そしてこれからもお客様への確認作業をし、お客様の大切なお墓を施工させていただきます。
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