こんにちは!今日はお墓の地震対策についてご紹介します。お墓の構造は一番下の基礎の部分から始まり、一番上の竿石(さおいし)まで石を積み上げて建てていきますが、積み上げると言っても、普通に載せていくだけではありません。お墓を建てる際は、石と石が合わさる所や、上に石を載せる時等、様々な所に接着剤や、金具を使用し、お墓に安定性を持たせると共にお墓の地震対策を施しています。今日は、お墓の基礎部分を抜粋して、地震対策をご紹介致します。
2017年4月6日に公開した記事ですが、内容を加筆修正しましたので2021年7月25日に改めて公開させていただきます。
目次
地震等が及ぼすお墓の基礎部分への影響
まず最初に地震等の自然災害が基礎に及ぼす影響をご説明しますが、お墓の基礎の部分についてまだよくご存じでない方は、以前『石材店だからわかる!お墓の構造(基礎編)』というブログを書いているので、先に読んで頂ければより内容が伝わるかと思います。
題名をクリックしてください→石材店だからわかる!お墓の構造(基礎編)
さて、それでは地震等がどのようにお墓の基礎に影響するのかをご説明させていただきます。まずは、地震が起こる事でどのような事がお墓の基礎に現れるのかというと、東日本大震災の時に各地で話題になった、地盤の「液状化現象」がおこり、お墓の基礎のさらに下の部分の地盤、土の部分が地震の震動で締り、隙間ができ、地下水などがその隙間に入り込み、お墓の基礎部分の下の地盤が緩んでしまい、お墓が傾いたり最悪の場合は倒壊してしまいます。地震等で液状化現象が起こる等その原因は主に、お墓を建てる場所の地盤がもともと砂質の地盤や、水を多く含んだ地盤であることが原因で、そのような地盤を「軟弱地盤」といいます。そのような「軟弱地盤」の場合には、適した基礎を施さなければなりません。通常のお墓の基礎よりもさらに地震等に耐久性のあるお墓の基礎の施工方法である「D‐BOX」という工法を行います。
D-BOXってどんな工法?
それでは、まず最初にD‐BOXについてご説明させていただきます。
D‐BOXとは、名古屋工業大学名誉教授である松岡元氏の理論を元に、メトリー技術研究所が開発した地盤補強、振動低減対策、液状化対策などの効果を持つ地盤改良製品で、その施工には、D‐BOX施工管理資格が必要で、資格がなければ施工ができません。
それでは当社の施工風景の写真を交えながら、ご説明させていただきます
まず最初に、通常の基礎工事と同じように地面を掘りますが、D‐BOXを入れる分、掘る深さは深くなります。
地面を掘り終えた後、掘った区画に合わせたD‐BOXを敷き詰めて、隙間にもリサイクルと呼ばれる砕石を敷き詰めていき、その後均等になるように、機械を使って圧をかけていきます。ちなみに、D‐BOXは専用の袋の中に、リサイクルを規定で決められた量をしっかりと計測して入れています。圧をかけたD‐BOK内は、中で摩擦が発生し固く締り、上からの加重に強くなります。液状化現象が起こっても、上がってきた水をD‐BOXが吸収することで、お墓が傾く原因の地盤の緩みを防ぎます。
上記のD‐BOXを入れ、リサイクルを隙間に敷き詰め圧をかける手順を繰り返し、1段、2段、さらにお墓を建てる場所によっては3段までD‐BOXを施工していきます。
D‐BOXの施工終了後は、通常の基礎工事と同じく、鉄筋等を入れ、生コンクリートを流し、空気を抜き、表面を仕上げれば、D‐BOXを使用した基礎工事の完了です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はお墓の地震対策を基礎の部分に限定してご紹介致しました。紹介させていただきました「D‐BOX」には軟弱地盤に対する液状化現象の防止効果の他に、地震動の震動低減効果や、地盤補強効果、凍上防止効果等様々な利点があります。また、製品自体も耐久年数は半永久的で、重機が使用できない場所でも作業可能で、当社ではD‐BOX施工管理者の資格を持つスタッフが、施工します。通常のお墓の基礎が地震に弱いわけではなく、地盤の関係や、さらに地震等に強いお墓の基礎施工方法の一例という事をご理解ください。気になる方は是非お気軽にお問合せくださいませ。