こんにちは。今日は、人生の中で避けては通れない老いと痴呆に関わるお話をさせていただきます。いざそうなった際は誰かの力を借りなければならなくなりますが、今回はそうなる前に自分自身がどのように生きていきたいかを伝えることができる制度があることをお伝えします。近年自分らしい後悔しない最期を過ごせるように終活を通して前以て準備をされる方も増えております。
2016年10月28日に公開した記事ですが、内容加筆、修正し2021年5月2日に改めて公開しています。
目次
- 自分らしい生活を送るための「成年後見制度」
- 自分の最期を自分で決める
- まとめ
目次
自分らしい生活を送るための「成年後見制度」
もし自分に何かあり誰かの力を借りなければならない時が来た時には介護保険や健康保険があるのですが、実際に自分にあったサービスが受けられているかを見てくれる人が実はいるのです。それが「成年後見制度」です。成年後見制度とは、被後見人に代わって、財産と費用を勘案して本人に適した介護サービスや介護施設への入所といった契約をするなど、たとえ認知症になっても、その人らしく快適に暮らせるようにサポートをしてくれます。また、被後見人が不要なものを押し売りされたりしないように、被後見人の保護や支援なども行ってくれるのです。そんな成年後見制度には「法廷後見制度」と「任意後見制度」の二種類があります。
法廷後見制度とは?
判断能力が低下してから後見人がつきます。この場合、本人の判断能力がほとんどなくなっていますので、その多くは家族や親族が後見人を選び、家族自身が後見人になります。
任意後見制度とは?
判断能力が落ちる前に将来後見を頼みたい人を自分で選ぶことができます。
こちらの場合は、本人が「この人に頼みたい」と選ぶことができ、士業などの専門家が任されることが多いようです。そして、判断能力が低下すると家庭裁判所が任意後見人を監督する「任意後見監督人」を選任し、後見が開始するのです。どんなことを任せたいかは、本人と受任者とが話し合って契約を結びます。その為、本人の意向がより反映されやすいのは任意後見制度になります。
自分の最期を自分で決める
例えば、脳死状態や、治る見込みのない病気になっても、できる限り命を永らえさせることも医者の役割です。しかし、無理な延命を望まない人もいます。そうした方が用意するものは「尊厳死宣言公正証書」です。これは、延命措置を中止する旨等の宣言をし、公証人がこれを聴取して公正証書にするものです。2012年、日本尊厳死協会の遺族アンケートによれば、「尊厳死の宣言書」の医療側への提示が「最期の治療に生かされた」という回答が実に92パーセントだったようです。尊厳死を望むのであればこの証書をつくるのも一つの手です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?人は誰しも「死」は避けては通れません。その過程にある老いや痴呆も避けては通れないからこそ自分の余生をどのように生きていくのかをあらかじめ決めておくことも必要なのかもしれません。みなさんもご存じの「臓器提供」もその一つです。現代の日本では、前以て自分の余生を考えることができる時代ですので、是非いざという時の為にどのような日々を送っていきたいのかを考えてみてくださいね。